【ブログ】面会交流調査
- 2019.01.24
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昨日,所属する弁護士会の派閥が主催した勉強会に参加しました。家裁の元調査官の方の講演でしたが,調査官調査の実態がわかり,大変興味深いものでした。
最初はお子さんの緊張をほぐし,体調を尋ねるなどの質問から入り,来庁趣旨を確認するそうです。来庁趣旨を尋ねると,同居親との調査に向けてのやりとりがわかるような「〇〇に会いたくないって言いに来た」なんていう答えが返ってくることもあるそうです。確かに,「今日何をしに来たか分かる?」なんて質問されてしまうと,素直に答えそうですよね。
子の調査では,今の生活の状況,別居親とのこれまでの関係,面会交流に関する意向を確認して,回答の妥当性について検討するそうです。年齢不相応な言い方に不自然さを感じたり,会いたくないと言っているお子さんには何が心配なのか等細かく尋ねたりしながら,本音を探っていくようです。
中学生くらいのお子さんだと,自分の気持ちというより同居親の考えを尊重したいという意見を述べることもあり,そういった場合には,調査意見にも反映するそうです。もちろん,お子さんの年齢がある程度に達していることが前提だとは思いますが。
元調査官の方が強く言っておられたのは,調査が終わった後,何を話したのかを確かめるのは,お子さんが傷つくのでやめてあげてほしいということでした。
調査におけるお子さんの心理的な負担の大きさも改めて感じました。面会交流はいろいろ背景事情があるでしょうし,思うようにならないことも多いですけど,いずれにしても,紛争は長引かせず,早く解決するのが良いですね。 村手