【ブログ】判例勉強会
- 2019.06.10
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当事務所では,1か月に1度,事務所の全弁護士が集まり,判例勉強会を行っています。そこでは担当の弁護士が裁判例などを紹介し,意見交換等を行います。
先日,私が担当だった際には「危急時遺言につき遺言者の遺言能力を欠くため無効とされた事例」を取り上げました。
この事例は一審では遺言能力が肯定されていましたが,控訴審で覆された事例です。
控訴審は,遺言者の当日の意識状態,立ち会った主治医が循環器内科の医師であり意思能力の有無の鑑別の専門家ではないことなどを理由に遺言者の遺言能力を否定しています。
民法976条は「死亡の危急に迫った者が遺言をしようとする」場合について規定しています。
しかし,実際はそのような状況においてなされた遺言が,本当に被相続人の意思に基づくものであるか争いが生じやすいものです。
自分の意思を相続人に正確に伝えるためにも,早めの準備をお勧めします。江藤